さて、ちょっと遅くなりました。
証券マン向けではありますが、ソフトバンクってそもそもなんやねん!
って思っている皆様のために、ちょっとまとめてみました。いつか発行されるソフトバンク社債のセールストークにも使えますよ。
この度12/19にソフトバンク株式会社が新規上場します。
日本市場最大の新規公開株式であり、注目度の極めて高い案件なのでご紹介させてください。
まず、目論見書の想定記載価格は1500円、100株単位なので、15万円程度からの投資になります。
過去に、日本の市場で公募価格3000億円以上の大型IPOの結果をご紹介します。
1987年2月 NTT 調達金額2兆2143憶円
公募価格 119万7000円→初値160万円 +33,7%
1993年10月 JR東日本 調達金額7323億円
公募価格 38万円→初値60万円 +57.9%
1994年10月 日本たばこ産業(JT) 調達金額5670億円
公募価格 143万円→初値119万円 -16.8%
1996年10月 JR西日本 調達金額 4878億円
公募価格 35万7000円→初値36万円 +0.8%
1997年10月 JR東海 調達金額4859億円
公募価格 35万9000円→初値38万3000円 +6.7%
1998年10月 NTTドコモ 調達金額2兆1255億円
公募価格 390万円→初値460万円 +17.9%
2006年11月 あおぞら銀行 調達金額3800億円
公募価格 570円→初値495円 -13.2%
2007年10月 ソニーフィナンシャルグループ 調達金額3480億円
公募価格 40万円→初値42万円 +5%
2010年4月 第一生命 調達金額1兆89億円
公募価格 14万円→初値16万円 +14.3%
2012年9月 日本航空 調達金額6633億円
公募価格 3790億円→初値3810億円 +0.5%
2013年4月 サントリー食品 調達金額3881億円
公募価格 3100円→初値3120円 +0.6%
2014年3月 ジャパンディスプレイ 調達金額3347億円
公募価格 900円→初値769円 -14.6%
2015年11月 日本郵政 調達金額6930億円
公募価格 1400円→初値1631円 +16.5%
2015年11月 ゆうちょ銀行 調達金額5980億円
公募価格 1450円→初値 1680円 +15.9%
2016年10月 JR九州 調達金額4160億円
公募価格 2600円→初値3100円 +19.2%
勿論、マーケットの環境や個別企業の内容が違いますから、一概に利益が出るとは断定できませんが、、
と、調達金額3000億円以上の案件では、16社中13戦3敗になっています。
中でも今回は、日本市場過去最大級の上場案件であったNTTの2.2兆円を上回る
およそ2.6兆円の上場案件なので、極めて高い注目度がある案件です。
さて、今回新しく上場するソフトバンクですが、既に親会社のソフトバンクグループ(銘柄コード:9984)は上場しているので、
子会社のソフトバンクの国内事業部門が別途新しく上場することになります。
皆さん、今のソフトバンクは携帯電話屋さんのイメージが強いと思いますが、、
実はソフトバンクは元々は携帯電話屋さんではありません。
ソフトのバンク、の名のとおり、1981年に創業後、当時、普及し始めたパソコンのソフトを扱う会社から始まったんですね。
で、1996年にはヤフーに61億円出資して、ヤフージャパンを作ったり
↑今の含み益7421億円(11/20現在)
2000年には中国のアリババに20億円出資したり、
↑今の含み益12兆2957億円(11/20現在)
2001年にはヤフーBBを作りました。ほら、このモデム、タダで配っていたのを覚えていませんか?
当時のネット回線はNTTが牛耳っており、日本のネットは先進国では一番速度は遅いし、先進国で一番料金が高かったんです。
そこで、ソフトバンクは、当時のNTTの5分の1の料金で、速度は4倍のサービスを儲けをを度外視して普及させたんです。
私も興奮しました。だったISDNでネット繋ぐとメッチャ遅いし高いし、、ADSLが出たときは凄い!安い!と感動した記憶があります。
菅官房長官の値下げ要求が議論されていますけど、もともと料金が高いのはNTTですからね?
ソフトバンクのおかげで、日本のインターネットは世界で一番安くて早く接続できるようになったんです。
2004年にはダイエーホークスを買収して、ソフトバンクホークスにしたり
で、2006年に、ボーダフォン(昔のJ-PHONEね)から日本の携帯電話事業を1兆7500億円出して、買収して今の携帯電話屋さんになったんです。
その後も、2013年7月にアメリカのスプリントを買収して米国の携帯電話事業にも進出しています。→今の含み益3348億円(11/20現在)
ボーダフォンを買収した時は、頭がおかしくなった、クレイジーだとか凄い批判されたんですけど、
ボーダフォン時代の2005年には、契約件数1521万件だったのが、今や2.8倍の4265万件。
営業利益が718億円だったのが6419億円と8.9倍に成長させました。
で、親会社のソフトバンクはヤフーだとか、最近話題のソフトバンク・ビジョンファンドとか、2016年に3.3兆円で買収したアームなどの持ち株会社なんです。
今回の上場は、ソフトバンクグループの日本における中核事業会社のソフトバンク株式会社、つまり主に日本の携帯電話事業を中心とした会社が上場する案件です。
NTTドコモも、親会社のNTTが株式を63%持っているので同じ構造ですね。
ソフトバンクの新規公開株に投資するメリットは、さっきお話ししたように、超大型IPOなので、初値の上昇が期待できるって事もありますが
こればっかりは株なので絶対って事はありえません。
でも、実は凄いお得な案件じゃないのかなって思えるところがあってですね。
ひとつは、配当なんです。
パンフレット見てください。
ソフトバンクが持っている契約、つまり、4265万件の契約者さんが支払う携帯の代金が、(スマホ・ガラケー・タブレット・ポケットWIFIとかPHS含む)
- 主なソフトバンクの収入源なんですけど、そこから発生する営業利益、つまり人件費とか、ワンちゃんとか上戸彩ちゃんのCM費用だとか払い終わった後の営業利益が去年で6419億円
今期予想だと、
7000億円なんですよね。で、そこから法人税とかを支払った後の利益
純利益が4200億円を予定してるんですね。
で、一株当たりの利益が、87.73円の計画です。
ソフトバンクは、純利益に対する配当性向を85%程度株主さんへ還元しますって公表しているので、87.73×85%で、75円の配当を出すと予想されています。
今の段階で公表されているのは、3月の期末配当の37.5円ですから、9月の中間配当が同じ37.5円と計算して75円って事ですね。
で、大事な事なんですが、携帯電話事業って利益が安定してるんですよ。
例えば、今のソフトバンク売上高営業利益率は3.7兆に対しての7000億ですから、18.9%と非常に高い利益率なんですけど、
この利益の源泉って、さっき言ったように契約者さんの料金ですよね。
日本の企業はよく、誠に遺憾ながら、今期は減配とさせていただきます、とか、無配とさせて頂きますってしょっちゅうあるんですけど、、これは利益が出ないと配当をだせなかったり、配当金を減らさざるを得なくなるからですよね?
つまりソフトバンクの利益が今後減っていってしまうのであれば配当は減ってしまいますしソフトバンクの利益が今後安定して稼げるのであれば、
この85%の配当性向、つまり5%程度の配当が安定的に、継続してもらえるって事ですよね。
で、ソフトバンクの利益が減ってしまうことがどういう場合に起こりえるかって言うと
1つは、携帯の契約自体を辞める事。つまり、携帯を持たない生活に変える事です。
いまや、電車の中でもバスのなかでもどこでもみんなスマホをいじってますよね?
ネット・動画・ゲーム・振込・メール・電話・写真・ビデオ、、、生活に必要なありとあらゆる事がスマホで出来るんですからね。
はっきり言って、スマホがない生活なんて考えられません。
家計の中で、通信費を削るっていうのは、本当に最後の最後の手段だと思います。
2つは、ソフトバンクのユーザさん、つまり携帯を契約している人たちがソフトバンクやめてドコモに切り替えるとか、auに切り替える事。
こういったことが起きてしまうのであればソフトバンクの配当が減ってしまうと言う可能性がありますよね?
でも、先ほど申し上げましたようにソフトバンクの場合は2006年にボーダフォンを買収してから携帯の契約件数を2.8倍にまで成長させました。
つまりソフトバンクさんが携帯電話事業に進出してから、12年間の間に起きた事はソフトバンクがドコモだとかAUさんからユーザーさんを奪っていったと言うことなんですけど。
それはソフトバンクが行ってきた様々な政策がユーザーさんに好感されて契約件数を伸ばしたと言う背景があります。
例えばホワイトプランって聞いたことありませんか?これは980円で音声通信定額無料サービス、
つまり無料でソフトバンク同士であればタダで通話ができるサービスなんですけど、ソフトバンクが初めて行ったサービスです。
昔は1分で通話料いくらってのが当たり前だったじゃないですか?
それを大きく変えたのもソフトバンクです。今は携帯電話の値下げ議論、総務省の菅官房長官が携帯電話料金を4割下げろ!!って言っているから携帯電話業界の収益性が低下するって思われてますよね?
でね?実はソフトバンクと、auの携帯電話料金って殆ど一緒なんですよ。
例えば、現在では、5分間の通話迄だったら無料の携帯プランは1700円、これはほとんど各社共通になってます。
で、今や、みんなパソコン替わりにスマホを使いますし、ネットも動画もなんでも全部スマホです。
知ってます?今の新入社員さんって、キーボードで文章打つときに、人差し指でタイピングするんですよ?50オーバーの課長さんならわかりますけど、、
これって、スマホがあるから、パソコンがなくても何でも代用できるからって事なんです。
つまり、キーボードを打つ必要性が無い世代が今の新入社員さんって事です。
すみません、話がそれました。
で、今の時代は、通話料金よりもデータ通信っていうのが凄い大事なんですけど、皆さんスマホでYouTubeの動画見たり、
アマゾンの会員だったら音楽もタダでダウンロードし放題ですし、ネットフリックスや、abemaTVなど、ネットのテレビをみたり、
FacebookとかInstagramで写真や動画をアップしたり、ダウンロードしたりするので大量のデータを通信してるんですよね。
パンフレットにもソフトバンクのウルトラギガモンスターってサービスが載ってるんですけど、実は、これ凄い良いサービスなんです。
1か月のデータ通信量の上限が50GBで、5980円。
ちなみに、ドコモのウルトラデータパックは30GBで8000円、AUは30GBで5980円なんです。
だから、そもそも、携帯電話料金の値下げ要求って、一番通信料が高いドコモに言ってるんですよ。
なぜかって?NTTドコモの筆頭株主はNTTで63%の株を保有していて、NTTの筆頭株主は日本国で、35%の株を持ってるからです。
なので、ドコモはお上の意向に逆らえずに、今年はやりの「忖度」して4000億円ユーザー還元、つまり値下げするって言ってるんですよね?
そりゃそうでしょ、、だって元々の料金が高いんですから。
今のところ、シェアでいえばドコモがトップ、二番手がAU、三番手がソフトバンクで25%のシェアをとってるんですけど、一回携帯契約したらなかなか乗り換えないじゃないですか。
たしかに、むかしのJ-PHONEとかボーダフォンの時代はひどかったです。ドコモは日本全国に張りめぐらせた通信網がありますから、
どこでも携帯電話がつながりましけど、ドコモがつながるところでも、ソフトバンクは圏外ってこと結構ありました。
でも、今は殆どそんなことないんですよね。
なぜって?私、J-PHONEの時代から、20年使ってますからよくわかります。
通信料の上限が50GB、これって凄い大切な事なんです。
ウルトラギガモンスターっていうサービスが出来るまでは通信量の上限が10GBだったんですけど、
これだったら大体10日くらいで通信量の上限にひっかかってしまって、ネットしたり、動画見たりするのがもの凄い遅くなってしまって不便になるんですよ。
今のソフトバンクのウルトラギガモンスターのサービスには、50GBの上限にYouTubeや、line、Instagram、Facebook、abemaTVとかの動画・SNSのデータ通信量はふくまれないっていう、
動画SNS放題っていうサービスが含まれています。
だもんで、ソフトバンクのユーザが使うデータ通信量の8割のお客さん、つまり若者が使うデータ量の43%が無料化されてるってことなんですね。
これは他社に比べて圧倒的に有利です。もう既に十分値下げをしているって事です。
他にも、ソフトバンクユーザーなら、同じグループのサービス、ヤフープレミアムの月額432円が無料になって、雑誌や漫画が見放題になったり、
ヤフーショッピングで買い物をするときに付くポイントが10倍になったり。
スーパーフライデーっていうサービスで毎週金曜日に吉野家の牛丼とか、サーティーワンのアイスがタダで貰えたり。なかなか凄いサービスがあるんですよね。
ってことは、どうなんでしょう。
今や日本人のほぼ全員が携帯電話を持っている時代ですから、携帯電話のマーケットのシェアがどんどん膨らんでマーケットのパイが拡大ってことはないと思いますけど、
ソフトバンクユーザーが離反して、ドコモとかAUに鞍替えするって事もないと思いませんか?
という前提に立てば、ソフトバンクの今の収益は安定しているんじゃないかと。
で、特に値下げ要求にたいしてはソフトバンクは既に、格安スマホの分野でも最大手です。
Yモバイルって聞いたことありません?
ソフトバンクは総務省の値下げ要求にこたえて早くから、格安スマホにも対応しています。
格安スマホって何が違うかって言えば、例えば、ソフトバンクの場合、動画もSNSもめいいっぱい使いたいユーザーさんはソフトバンク、あまりデーター通信しないよって人はYモバイル、殆どlineとか、SNSしかしませんよって人にはラインモバイル。
この料金別の3本のプランを走らせていますから、値下げはユーザーさんが選べばいいってスタンスです。
他にも、例えばiPhone。今ではドコモでもAUでもiPhone買えますけど、
2008年から、2011年まではソフトバンクでしかiPhoneを買う事が出来ませんでした。
なぜかって?
有名な話ですが、、2005年に孫正義が、iPhoneを開発したアップルのスティーブジョブズに会いにいったんですね。
そこで、当時大流行していた携帯音楽プレーヤーのiPodに、通信機能を備えた電話を作ってくれないか?って
「スティーブ、これを見てくれ!」と言って、私は手書きの図面を見せたんです。「これを作ってくれ、あんたにしかできないんだ。なぜなら、あんたはアイポッドを持って、MacのOSを持っているだろ? このアイポッドにMacのOSをくっつけて、アイポッドのディスプレイをもう少し大きくする。それに通信機能を入れたら、これはモバイルインターネットマシーンになる。インターネットがPCからモバイルに切り替わるタイミングであんたがこれを作るんだ」と言いました。
図面を見てくれと渡そうとしたら、「マサ、そんな汚らしいものは引っこめろ」と見てくれないわけです。
俺の書いた図面が気にくわないのはわかった。でも、お前のニタっとしたその笑顔の裏にはきっとこれに相当するものを作っているに違いない。「そうだろ?」と言ったら、「俺は喋らない」と答えたわけです。超秘密主義の男ですからね。
喋らなくていいから、お前さんが作っているそれが完成したら、日本での独占権は俺にくれ。俺をパートナーとして選んでくれと言ったら「マサ、それじゃあ俺の家に来い」となった。
彼の家の行って続きの話をしました。「わかった。お前に独占権をやる」と言ってくれた。それじゃあスティーブ、ちょっと一筆書いてくれと頼みました。
スティーブは笑いだして「そんなものは書けない。だいたいお前は携帯会社として日本のライセンスすら持っていないじゃないか。携帯会社にもなっていないのに、独占的によこせ、一筆書けなんて要求しすぎだよ。まず出直して、携帯の電波の許認可をとって、それから戻ってこい。そしたら続きの話をしよう」と言われた。
よし分かった、あんたの言うことは理にかなっている。だけど、忘れないでくれよ。俺が電波の許認可をもらい、その会社を始めて戻ってきた時には、あんたが俺に独占権をくれると言った約束を果たしてくれよ、と言ったわけです。それから2週間後に1.8兆円でボーダフォンジャパンを買うという契約に調印をして、スティーブのところへ戻っていったわけです。
「スティーブ覚えているかい? 男の約束を守れるかい?」と言ったら、彼はまたニタっと笑った。「覚えている。俺は約束を守る」と言った。
(出所:ソフトバンクキャリアLive)
当時のソフトバンクの時価総額は、2兆円、そのソフトバンクが1.8兆円も出してボーダフォンを買収した裏には世界中で大ヒットしたiPhoneを独占販売出来るって秘策があったからなんですね。
すみません、またまたお話しがそれてしまいました。
今お話ししたように、ソフトバンクの収益は安定しているんじゃないかなと思います。
と、いう事は公募価格がもし1500円で決まった場合、配当金は75円として、利回りは5%じゃないですか。
もし、10000株お取りできたとして、1500万円ですよね。
となれば、配当は75万円。
銀行に1500万円預金しても、利息は年に1500円です。
ソフトバンクの今後の収益が安定していると仮定できれば、10年保有したら配当だけで750万円です。
これって、大きな違いですよね。
また、通信事業も、他社からのユーザー獲得で成長の余地は十分にあると思うんですが、ソフトバンクは通信事業以外にも新しい事業で成長を目指してます。
ソフトバンクって今、ビジョンファンドを通じていろんな企業に出資してますよね。
たとえば、DiDi.これって、スマホを使って地図のGPSで自分がどこにいるかわかるので、、行きたいところを指定したら、いろんなタクシー会社の中で最も早く来てくれる、タクシーが来てくれる。これ、世界で5.5億人が使ってます。これもソフトバンクの日本の新規事業。
他にもたくさんあるんですけど、少なくとも、過去にソフトバンクが行ってきた「成長」への取り組みは間違いなく実行しているといえると思うんですよね。
是非、ソフトバンク株式会社に出資していただけませんか?
若い皆さんは、孫正義のこの伝説のライブを見たらいいと思います。
ソフトバンクが、いや、孫正義が如何に凄い経営者かが良くわかります。
ソフトバンクが嫌い、朝鮮人が嫌いとかいう差別的な高齢者にはドコモだとか銀行株を持ってもらって
一生利食いできない塩漬け株式にしておいていただきましょう。
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